2015年4月28日火曜日

弁護士らしくない話し(其の3)

 四月も過ぎ去りつつあります。
 今年の四月は、歴史的な日照不足であったとか。
 日照不足の一方で、例年より一週間程度は早い桜の開花でもあったとのこと。
 弥生、三月、桜花、爛漫・・・「さくら さくら 弥生の空は・・・」との名曲、名歌・・・
「弥生」三月は、旧暦、つまり、明治改暦(注)以前の太陰太陽暦に拠った呼び名。アバウトな話しでは、太陽暦(グレゴリオ暦)とは凡そ四十日程度遅くズレていると言われたりしています。
冲方 丁(うぶかた とう)の「天地明察(2009年)」という小説が以前ヒットしましたが、これは太陰太陽暦での暦の修整ということが結構な作業であったという話しでした。
「さくら さくら 弥生の空は 見渡す限り 霞か雲か 匂いぞ出ずる・・・」は二番の歌詞でした。
一番は「さくら さくら 野山も里も 見渡す限り 霞か雲か 朝日に匂う」です。

(注) 旧暦・明治5年12月3日を以て、新暦・明治6年1月1日に改めるということを、明治政府はやってのけました。

弁護士らしくない話し(其の2)


 日本の西の端っこに行ってきました。
 与那国島(よなぐにじま)です。地元の言葉では、「どなん」と言うようです。
 関空から石垣島まで2時間50分、そこで琉球航空のプロペラ機で更に35分。
 経度では東経124度です。15度で1時間の時差ですから、標準時よりも実際は44分間遅い勘定となります。朝は7時半ころに漸く明けます。
 本土も寒波襲来の頃合でしたが、現地の気象予報では、摂氏1214度で、水が冷たく感じるでしょう、と報じられていました。
 現地で目を引くのは、最近では、謎の海底遺跡というものがありますが、何と言っても、日本の最西端、東の石垣島よりも西の台湾の方が近いという位置。
 日本古来の馬という与那国馬が逞しく生きており、我が国最大のヨナグニサン(与那国蚕)、現地名アヤミハビル(綾のある蝶の意)が生息し、これが一世を風靡した怪獣モスラのモデル。 

2015年4月8日水曜日

弁護士らしい話し(其の2)

 昨今、南西諸島を時折り訪ねています。

 二月には、我が国の最西端の与那国島へ行って、自然の外は何も無い中で、トマ・ピケティの「21世紀の資本」全七百頁を読破しました。
 彼は、最近二百年間の主として税金関係の資料に基づいて、資本について、資産(元手)と所得(労働)との関係性を調べ、富は偏在するもの、つまり貧富の格差は拡大する傾向を常に備えていることを論証しています。
 私達、特に団塊の世代が信じて来ていた能力主義、原則としての平等、努力次第で差異、つまり努力すれば報われる、という社会の有り様は、20世紀前半の二度に亘る大戦の後の半世紀間程の、むしろ例外的な事象であった、と衝撃的な分析をしています。

 三月には、鹿児島の南端、沖縄のすぐ北の与論島へ行き、正月に次いで、今年二度目のハーフマラソンを走りました。ハーフマラソンに参加する前後に奄美大島の弁護士と共に無料法律相談会を開きました。五十歳台、六十歳台、七十歳台の方々の相談に応じて来ました。
 人は、それぞれに居場所を求めて生活を営んでいます。人は、それぞれに楽しみと悩みとをないまぜに日々の生活を送っています。
 与論島には、町役場と派出所はありますが、裁判所も法務局もありません。
 法治国家の筈ですが、その法治の余慶は、この国では未だ未だ偏在しているようです。

 それでも、ハーフマラソンを走り、また、少しは人の為にはなったか、と思っています。