2019年6月18日火曜日

弁護士らしい話し(其の34)


外国人労働者の受け入れ 

 昨年12月、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)の「第2条の2」が設けられ、「特定技能1号」「同2号」という在留資格が新たに登場しました。 
「特定技能1号」では、「外食業技能測定試験」と「日本語能力判定テスト」「日本語能力試験(N4以上)」とをクリアーすることが求められます。(日本語能力として、日常生活に支障の無いレベルは、もう1ランク上の「N3」という指摘もありますが) 

 1970年代にヨーロッパを訪れたときには、現地で外国人の労働者を見掛けた記憶は有りませんが、1980年代にアメリカ(ニューヨーク)を訪ねたときには、特に外食関係のワーカーは、その殆どが有色人種であり、アジア系が圧倒的であることに驚いたことがあります。 
 これを単純にヨーロッパとアメリカとの相違点と長らく思い込んでいましたが、改めて振り返って考えると、1970年代のヨーロッパと1980年代のアメリカとでは、場所の違いではなく、時期の違いであったことに漸く気付いたという次第です!! 

 そして、21世紀の我が日本! 
 幻の単一民族国家たる我が日本も、その歴史を丁寧に見て行くと、外国人、非日本人が居なかった時代は無い筈、との言説が今日では主流の様です。
 それでも、我〻は、その使用言語とメンタリティーにおいて、日本語、日本人だけの国・・・とのみ事を考えて長年月を送って来たところです。 
 しかし、社会の高齢化に伴なって、少子化の進行、高齢者の増加、労働人口の減少を前に、これまでも事実としては、「(技能)研修(生)」の受け入れをしてはいたものの、欺瞞的である面も多〻有り、これからは、正面切って、外食業をはじめとする14業種で最大34万5千人を受け入れる方向とのことです。
 ところで、これら資格では、試験に合格することを必要としますが、特に、「特定技能2号」では、建設、造船という職業ジャンルが検討されているとのことで、この在留資格は、家族の帯同も可とし、在留期間の上限も無いとのことです。(1号は5年間の有期)

 であってみれば、この「特定技能2号」では、無期限の「定住者」となることも可能であるところ、かくては「移民」とどこか異なるものか・・・同じか・・・。それでも、「移民」に非ずとの説明がされています。 


 なお、移民とは、広辞苑にては、次の通り定義しています。  
「他郷に移り住むこと。特に、労働に従事する目的で海外に移住すること。また、その人。」英語では、immigrant , emigrant 

 千年余り前には、半島の百済からの亡命者、その人達を大量に受け入れたことがありましたが、その後には、コチラから出て行くばかりであって、今又新たに入って来る人達にどのように臨むかが大きく問われている、ということのようです。 

 そして、そもそも国際化には、発展的な意味合いと共に、逆に異文化との摺り合わせを求められる、結構Stressfulな面が備わっているところ、これらをどのように折り合わせて行くか、文化的な課題も大きいところです。
 

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