2020年4月23日木曜日

弁護士らしい話し(其の36)


流行り病いなるもの


 2020(令和2)年は、2月以降、新型コロナウィルス騒動にて、物情騒然・・・
去る4月7日の非常事態宣言なるもの以降、その指定を受けた1都1府5県にては、それなりに物情騒然の筈が、路上の人の往来、クルマの走行は、めっきり減っています。
 とは言え、よくよく過去を振り返って見ると、今世紀に入って以降、このような流行り病いは数年毎に波状攻撃の様相。
 とは言い、目に見える形で、第3次産業を主体に甚大なダメージを被っているのが、ありありと目に映るというのは、初めての経験です。 

 流行り病いに因る物情騒然を遡って行くと、
 2012年9月~MERS(中東呼吸器症候群)。中東地域で始まったものの、韓国で猛威をふるい、未だ中東では収束していないとのこと。
 1997年の香港に端を発する鳥インフルエンザは、2004年には我が国でも感染。「H5N1感染」と表現されている模様。
 200211月~03年7月のSARS(重症急性呼吸器症候群)。
 近くは、2018年9月~豚コレラ、「豚熱(非アフリカ豚コレラ)」が野生イノシシから感染したとして、実に沢山の豚が殺処分されたことは、記憶に新しいところ。

 風土病、地方病という言葉が有ります。
 ペスト菌によって起こる感染症については、地方病的色彩が濃いものであったが、伝染力が極めて強いところから、古来、猖獗を極めた大流行が有名。古くは、14世紀フィレンツェで人口が3分の1に減った折りの事柄としては、ボッカチオの「デカメロン」が有名。
 近くは、20世紀に入っても、カミュが「ペスト」で、フランスの植民地であったアルジェリアでのペストの流行を描いたところ(1947年の出版)。

 1918年1月から1920年までの間に、インフルエンザによるパンデミックとしては、「スペインかぜ」が有名なところ、第一次世界大戦の参戦国では、報道が封じられていた一方で、非参戦国・中立国であったスペインでは、自由に報道がされていたことから、スペインの被害のみに着目され、名称としては、「スペインかぜ」になったとの由。
 これは、その後、H1N1型のインフルエンザウィルスに因るものとされています。
 そして、「スペインかぜ」は、人類最初のパンデミックとも称されている様とか。

 インフルエンザウィルスには、A型、B型、C型とが有り、A型は、症状が激しい、B型は、A型のような大流行は起こさない、C型は、一度免疫を獲得すると、その免疫が持続すると考えられているとのこと。

 只今の流行り病いの、記憶に新しいところのキーワードは、次の2ツ。
  1)重症急性呼吸器症候群(Severe Acute Respiratory Syndromeサーズ
    2002年、中国南部広東省で最初の報告。
    コウモリ外が媒介と言われているところ。
  2)中東呼吸器症候群(Middle East Respiratory Syndrome Coronavirus)マーズ
    2012年、ヒトコブラクダが媒介とされ、対症療法のみとのこと。

 一方、我が国における法的対応としては、その大本としては、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10(1998)年法律114号)が制定され、この法律では、H19(2007)時点で、SARSコロナウィルスが挙げられているところ。

 その後、平成20(2008)年法律30号では、「新型インフルエンザ対策の強化」の改正、この折りの鳥インフルエンザ「H5N1」。

 そして、今回発動された平成24(2012)年法律31号は、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」。

 そして、只今の、コロナウィルス騒動に至る、という事の流れ。

 ともかく、今世紀・21世紀に入って、グローバル化の進展と共に、インフルエンザ流行性感冒は、年〻手強くなって来ており、その語義が示す如くinfluence、流行り病いも、星の影響という占星術の言葉に由来するところ、21世紀においては、運命論的に悲観せざるを得ないところの様。

 ところで、皆が知っているも、皆が読んでいない去る4月7日の官報(号外)「新型コロナウィルス感染症緊急事態宣言に関する公示」全16頁を読んでみました。
 併せて、新型コロナウィルス感染症対策の基本方針に関する公示(令和2年3月28日)の一部を変更する公示というものが掲載されており、なかなか興味深いものでした。
「三つの密」「オーバーシュート」も述べられており、最も関心を惹いたのは、次なる記事でした。
罹患しても約8割は軽症で経過し、また、感染者の8割は人への感染はないと報告されている。さらに入院例も含めて治癒する例も多いことが報告されている」と!!
 これが最新の知見の様。

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