2017年9月5日火曜日

弁護士らしい話し(其の26)

法律相談で慨嘆
 年に何度か、弁護士会での法律相談の当番が回って来ます。先日も、出向いて担当して来ました。
 これまでも色々な驚くべきケースというものも数多聞かされ、それなりに対応、助言、指導をして参っています。

 先年来、オレオレ詐欺、特殊詐欺というものが大きな被害を高齢者に与えていると言われています。
 が、一方、若者はどうなのか?!と思っていると、ヒドイ現状を又々知らされることになりました。
 押し掛けセールス、そして、信販系のローン払いを強いる手口。少々驚いたのは、会社経営者に文字通り祭り上げて、社長になるように!出資をするように!として、百万円単位の金を騙し取るケース。
 落ち着いて、また、丁寧に情報を収集し、比較検討、沈思黙考をすれば、その珍妙さ、奇矯さには気付く筈であったのではないか、と思われるものが全てではあるのですが。

 もっとも、ネット社会の今日、数々の夢物語のようなネット成金、ネット事業成功者の情報がネット空間を飛び交っています。
 テレビでは、旧態依然たるCMが夢の宝クジ、公営ギャンブルへの関心を無理矢理掻き立てようとしています。諸外国と比較すると、これらギャンブル、日本語で言えば、賭博の胴元の取る率は、我が国が頭抜けて多いようです。庶民は毟られるばかりです。詰まるところ、これらで財を成すようなことは無い、と言うべきであるにも関わらず、それが夢!とか、スマートさ!とかを装っています。1人、或は極く極く少数の賞金獲得者と比すれば、圧倒的多数の、90%以上の賭金をスルのが事理の当然です。が、そのように思いたくないのが人の性ですが、落ち着くところはスルばかりということ。

 勤勉とか、実直とか、刻苦勉励とか・・・という言葉は、メディアでは死語のよう。
 これらを美徳とか、人の道とかを説く気にはなれないものの、我ら凡人にとっては、結局、これらの言葉に示されたところを日々実行、実践することのみが事を遂げる真っ当うな唯一の道の筈です。

 弁護士の仕事に就く前からも、就いてから気付き、喧伝している言葉が有ります。
 人の世に蔓延り、人の欲を掻き立てるトークの最たるものは、「カクカクシカジカすれば金が儲かります」「金を儲ける秘訣を教えます」「ですから、先ず、私に金を払って下さい」というものです。
「金儲けの方法を伝授するから、金を払って呉れろ」これは、確かに楽して確実に儲かる方法です。

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